悠久の貴女へ
貴女さえ居てくれれば……

近藤さんや土方さんの他に話す相手にもなったのに。


気持ちに気づくのが、遅かったんですね。



「…じゃあ。帰りますよ、織さん」



そっと一言呟いて、立ち上がり、ゆっくり歩く。



外は暑くないですか、織さん。


未来ではどんな生活をしているのか知りませんけど、無理のないように。


まだどこかで貴女が生きていることを、ただ願うのみです。


…そして。


また貴女とこの地で戦えることを、夢見ています。


今度は、私が護りますからね。

貴女はただ私の背中を追うだけでいいんです。


あ、土方さんの小姓でしたね。

じゃあ、土方さんの背中を護らなくては駄目ですね。


……せめて、私達新選組の、守神になってください。


そして遠くからでも、武運を祈っていてくださいね。



それしか言えない自分に、少し苛々しつつ、光縁寺の山門をくぐった。


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