悠久の貴女へ
凛とした空の下
いつものあの部屋へ行ってみる。


もう慣れた道。

もう慣れた暑さ。


全てが私を包んでいた。



「土方さ~ん!」



声と同時に、障子を勢いよく開ける。

部屋の中に居た彼は、それでもびくともしなかった。



「また総司か」



ただそれだけ言って、文机に向かって何かを書いていた。


でも私にとっては、このつまらない反応が毎日のこと。

別に何とも思わない。



「ねぇ、土方さん! 最近、山崎さんが遊んでくれないんですよぉ~」


「山崎はお前の遊び相手のためじゃないだろ。誰のためにつきっきりなんだと思ってんだ」


「外にも出してもらえないんですってばぁ」


「こんな暑い中で外に出られるかよ!俺だって出たくねぇよ!」



次第に土方さんは鬼に戻っていく。

相変わらず、落ち着いてないなぁ……



「あ、じゃあ! 冷たいお茶いります?」



思いついた言葉をすぐに口にして、後悔した。


また彼女を思い出させるようなことを言ってしまったんだ、と。


その気持ちを紛らわすように、慌てて言葉を並べる。


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