久遠の想い人
麗奈の目が僅かに輝く。
でもたったそれだけで、弱音なんて吐きもしなかった。
「ありがとう!……でも、叶わなかったんだけどね」
「そんなに悲しまないでも、きっとまた会えるよ」
“きっとまた会える”――…
そう、そうなんだ。
同じ時を生きたなら、またいつか会えるに違いない。
夢でも、何であっても。
私はそう信じる。
特に父親だから、家族のことが心配に決まってる。
私だって心配だから。
幕末の、新選組のあの人達が―――…
心配したって、どうしようもないことなのは分かりきっているけれど。
それでも気になってしまうんだ。
「始めるよ~!」
次の授業を担当する教師が現れ、私達に向かって大声で言う。
全員がその声に反応し、何人かが慌てて席に着く。
「―ねぇ、織。後で詳しく聞かせて」
肩をつつかれ、その方向に振り向くと、麗奈が笑みを浮かべて小声で言う。
私はそれに深く頷き、前を向いては目を瞑った。
――会える、絶対に。
自分を宥める呪文のように、心中でそれだけ呟き、瞼をそっと上げる。
呪文に答えるように、窓から差し込む光が私の目の前を照らした。
でもたったそれだけで、弱音なんて吐きもしなかった。
「ありがとう!……でも、叶わなかったんだけどね」
「そんなに悲しまないでも、きっとまた会えるよ」
“きっとまた会える”――…
そう、そうなんだ。
同じ時を生きたなら、またいつか会えるに違いない。
夢でも、何であっても。
私はそう信じる。
特に父親だから、家族のことが心配に決まってる。
私だって心配だから。
幕末の、新選組のあの人達が―――…
心配したって、どうしようもないことなのは分かりきっているけれど。
それでも気になってしまうんだ。
「始めるよ~!」
次の授業を担当する教師が現れ、私達に向かって大声で言う。
全員がその声に反応し、何人かが慌てて席に着く。
「―ねぇ、織。後で詳しく聞かせて」
肩をつつかれ、その方向に振り向くと、麗奈が笑みを浮かべて小声で言う。
私はそれに深く頷き、前を向いては目を瞑った。
――会える、絶対に。
自分を宥める呪文のように、心中でそれだけ呟き、瞼をそっと上げる。
呪文に答えるように、窓から差し込む光が私の目の前を照らした。