ゴーストオブアイデンティティー
だから。

私は仮面を着けて。


正義という名の悪となれ。


「行こう運命」

「………」


運命は頷き、戸の前に立った。









次の瞬間。

ばきり、と。
破砕音が耳を、桐を固まらせた。


「な、何の音?」




更に、ばきり、と。

破砕音。

破砕音。

破砕音。







「………運命?」


振り返る運命。

ぽたり。

血が、運命の手から落ちた。

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