ゴーストオブアイデンティティー
慌ててハンカチを取り出し、止血する。じわりと血が滲んだ。
「何してるの!?どうしたのよ!?い、いきなり殴ったり……え、え?いやでもどうやって?」
事実を受け止めきれず、桐が一人混乱する中、
「出られない」
運命が痛みなどまるで無いかの様な、淡々とした口調で呟く。
「あ、当たり前じゃない!こんなにぐしゃぐしゃじゃあ開けられな―――――」
「違う」
運命は横に首を振り、
「何もしなくても、開いた」
「え?」
「今は、開かない」
「だからってこんな…」
桐はうめいた。開かないのは良い。分かった。しかし、だからと言って自分を傷付けてしまってはどうしようもない。
「何か他に方法があるはずよ。だから止めましょう?ね?」
「他って、何?」
「何してるの!?どうしたのよ!?い、いきなり殴ったり……え、え?いやでもどうやって?」
事実を受け止めきれず、桐が一人混乱する中、
「出られない」
運命が痛みなどまるで無いかの様な、淡々とした口調で呟く。
「あ、当たり前じゃない!こんなにぐしゃぐしゃじゃあ開けられな―――――」
「違う」
運命は横に首を振り、
「何もしなくても、開いた」
「え?」
「今は、開かない」
「だからってこんな…」
桐はうめいた。開かないのは良い。分かった。しかし、だからと言って自分を傷付けてしまってはどうしようもない。
「何か他に方法があるはずよ。だから止めましょう?ね?」
「他って、何?」