ゴーストオブアイデンティティー
言葉に詰まる。
「他って、何?」
「…それは」
「何?」
「…今は思い付かないわ」
「………」
運命は桐から視線を外し、壊れた端末にできた穴に、反対の手を入れ、中に詰まったケーブルを掴み、一気に引き抜いた。
盛大に火花が散り、端末は完全に破壊された。
「ヒトの創造物は、必ずヒトに因って破壊される」
そう言う運命に桐はぎょっとする。運命が、そんな事を言うとは思わなかった。
何故だか、運命が全く別の人物に見えた気がした。
幸福。
幸福の面影と、重なった。
「幸福が………言った」
…
未だ、運命は幸福に縛られているのか。
「他って、何?」
「…それは」
「何?」
「…今は思い付かないわ」
「………」
運命は桐から視線を外し、壊れた端末にできた穴に、反対の手を入れ、中に詰まったケーブルを掴み、一気に引き抜いた。
盛大に火花が散り、端末は完全に破壊された。
「ヒトの創造物は、必ずヒトに因って破壊される」
そう言う運命に桐はぎょっとする。運命が、そんな事を言うとは思わなかった。
何故だか、運命が全く別の人物に見えた気がした。
幸福。
幸福の面影と、重なった。
「幸福が………言った」
…
未だ、運命は幸福に縛られているのか。