ゴーストオブアイデンティティー
人類の行き着く果て。

如何なる場所であるか、其れは未だに誰も見た事のない桃源郷だ。

第一、「果て」とは何か?

何を得てして果てと成るか、予測は出来ても、其れはあくまで予測。実の処は不明瞭で、果てに行き着いた、という実例は無い。


座敷幸福は例外中の例外だ。あの様な「バケモノ」、ヒトには程遠い。果て等無いのだろう。


……………………。


何故、幸福は生まれたのだろうか。

バケモノ――――

其の言葉を使えば、人権侵害、なるものを振りかざす輩も少なくない。だが、そいつは何も知らない井の中の蛙だ。

幸福が「何で在るか」を知らずして、首を突っ込む野次馬だ。


幸福は、バケモノなのだ。

つまりは、バケモノなのだ。

此れ以上に幸福を表す言葉は、そう無い。


幸福をバケモノとするのが人権侵害なら、

幸福が存在する事が人間侵害だ。人間世界を陵辱した、愉快犯だ。


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