ゴーストオブアイデンティティー
血が、彼女を引き立てるのだろう。

妖艶に舞う剣士の様。

血濡れが、飛沫が舞い、彼女は其所に降り立つ。

女神――――――






恨めしいかな、自分。
彼女を創った愚か者として。

この世界に彼女を生み堕とした愚か者として。

真っ先に剣の切っ先を突き付けられる愚か者のくせに。


何故私は、彼女の加護を受けていられるのだ?
祝福を受けていられるのだ?
笑顔を見ていられるのだ?


何故貴方は、君は、私に向かってそんなにも笑むのか?

幸せそうなのか?

私を、殺さないのか?


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