ゴーストオブアイデンティティー
幸福は、群衆というモノが非常に嫌いだった。

先ず、群れる事自体が我慢出来ない。
足並み揃える事に我慢出来ない。
馴れ合う事に我慢出来ない。


個は個であり、群に成るべきではないのだ。
此の社会とやらは、魚の群れと何ら変わりは無い。

何かに恐れ、群れを成す。
大きく巨大に。成るだけ、成せるだけ大きく。
唯一の違いは、小魚大魚関係なく雑ざっている事。

一匹で悠々自適な生き方が可能なクセに、ピラミッドの底面でぐずぐずと暮らす大魚。


居心地が良いのだろう。
その場所が。

そして怖いのだろう。孤高という存在に、自身がなる事が。








そんな考え、くそくらえだと、幸福は心底思う。

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