ゴーストオブアイデンティティー
「GAME is OVER。タブーだよおねーちゃん。死んで当然。私や兄さんを汚す言葉は使っちゃ駄目だよ?」


また、闇風に含み笑いが戻った。

「さぁてとさてと。だぁれか、いませんかぁ?」

廊下に出る闇風。
勿論、返事は無い。

「なんだ、つまらないの。ん…?あ、違った違った。つまらないじゃないや。こういう場合は困ったな、ね。兄さん、そう言ってたもの。というか、ねえ本当に誰もいないの?ねーえ、いませんかー?」


膨れ面で見回す闇風。

あるのは、






大量の血溜まりと、瓦礫。


「うぅん…………て事は、この棟にはもう何も無いんだ?じゃああっち?」


硝子窓から見える光景。


中庭と、向かい側にある、もう一つの棟。


「じゃああっちね?待ってて待ってて?逃げちゃ、駄目だよ?」



闇風が、追う人物。




 ・・・・・・・・・
「倉崎桐のおねーさん」


……………………………………………………………………………………………


悪夢の始まり。

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