ゴーストオブアイデンティティー
また、女の声が響く。


「そうよ!!ここはハコ!!座敷家よ!!穢れて…呪われた家!!でも…でもだから何!?―――達は確かに座敷家よ!?呪われてるかもしれない!!いいえ、呪われてるでしょうね…それでも良いわ」


運命は、心拍が乱れるのを感じた。
何故、乱れるのだろう。
肺が詰まりそうだ。


運命は此れが「夢」というものだという事に既に気付いていた。

しかも、正夢―――――――


「例え何もなくっても!!例え心が消え去っていても!!欠けていても!!ニンギョウでも!!!!二人…―――達は一つ。一緒じゃないといけないのよ!?支えて、補いあって、生きるのよ!!それに…あなた、解るの?私がどうしてあんな名前を着けたのか?」


男は、無言。


不意に、女が微笑んだ。気がした。

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