ゴーストオブアイデンティティー
「ふふ…何が信頼、よ」
相変わらず針が付いたままの腕を目に当てる。刺さっていた針が抜ける感触がしたが、別段構わなかった。
針から漏れる点滴の黄色い液体が、シーツに大きな染みを作っていく。
時計を見れば、四時を回っていた。そこまで長くは眠っていなかったらしい。
針が外れた事を知らせるブザーが、無音の室内に小さく響いた。
看護師が来て、また先輩や親から色々と聞かれるのだろう。
嫌だ。
どうせ、誰も信じない。
運命という「事実」が無い限り、私は虚偽幻想に惑わされただけと、言うしか、無いのだ。
………………負けた。
…………………………私は何に負けたのだ?
相変わらず針が付いたままの腕を目に当てる。刺さっていた針が抜ける感触がしたが、別段構わなかった。
針から漏れる点滴の黄色い液体が、シーツに大きな染みを作っていく。
時計を見れば、四時を回っていた。そこまで長くは眠っていなかったらしい。
針が外れた事を知らせるブザーが、無音の室内に小さく響いた。
看護師が来て、また先輩や親から色々と聞かれるのだろう。
嫌だ。
どうせ、誰も信じない。
運命という「事実」が無い限り、私は虚偽幻想に惑わされただけと、言うしか、無いのだ。
………………負けた。
…………………………私は何に負けたのだ?