ゴーストオブアイデンティティー
「私が私でいられる、在る事が出来る、理由です」


「…所詮は偽物よ。そのうち、劣等感に押し潰されるわ」

そんな会話をしながらも、ヤヨはライフルにスコープを取り付ける。

「それでも」

手すりにライフルを固定した。


「それでも、満たされる私の心は本物に充ち溢れていますよ」

「…くさい台詞だこと。へどが出そう」

煙たがる様な闇風の声が鼓膜を伝わる。

「すみません、そう言った言葉、好きですから」




「………随分余裕ね?殺される決心でもついたの?」

「いいえ闇風。私なりの、世界の終え方ですよ。勿論、終らせないですが」


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