ゴーストオブアイデンティティー
「ふふ、そうですね。とても陳腐で、自己満足の塊。でも闇風、死ぬ時くらい、自分の好きにさせてもらっても良いんじゃないですか?」


「……………ふん」

ザリッという音が、携帯に混じってきた。


「…この電話、盗聴されてる」

恐らくは、米軍。

「わざとでしょう闇風?」


闇風が放っておくはずがない。わざと彼らを引き込んだのだ。興味を持たせるために。
油断させるために。


「単なるお仕置きよ。兄さんの邪魔になりそうだもの…………………さて、終わらせようか」


「…あなたせっかちですよ?もっと私は話がしたいのに」

鬱陶しそうに、闇風がため息をついた。

「何?遺言なんて真っ平だわ」


ヤヨは、天を仰ぐ。

深呼吸。
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