ゴーストオブアイデンティティー
闇風が舌打ちする。

何が言いたいか、わかってくれたらしい。

「……わかった。祈るわ。その代わり、存分に殺してあげる」

ヤヨは、病院の闇風がいる場所が光始めるのを見た。


綺麗な光。


あんな光に包まれて死ぬのも、案外悪くないかもしれない。

しかし。

殺される訳には、いかない。


ライフルを構えた。


「闇風、最後に、言わせてもらっても良いですか?」



無言の肯定。


「私はヤナセが好きです。私の大切な人です。だから、だから生きます。また、逢います。死なず、生き続けます。死など望みません…だから、あなたも…私に殺されないで」

殺しあい。

なのに、死ぬな。

奇妙。

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