ゴーストオブアイデンティティー
「…益々身体に悪いわね。AIさん、そう言えば名前、聞いてなかったわね。教えてくれない?」
『私の名前、ですか?機種番号0000000000――――通称「ムト」です、倉崎桐』
ムト……不思議な名だと思った。
「じゃあ私の事は桐でいいわ…ムト」
桐は部屋を見渡した。
そして呟く。
「…座敷家みたいね、この部屋。何か理由でもあるの?懐かしいとか?」
ぴたりと、幸福の動きが止まった。
「何故……そう思う?」
「何故って…そうね……」
第一印象、とでも言えば良いのか。部屋の雰囲気が、あの独特の空気と似ていた。
何処か寂れた、人気の無い、空間。
生活感が失われた、否元々生活感が無い、そんな空間。
しかも、あの部屋。あの部屋の雰囲気と、同じ。
「なんとなく、よ。運命の居た部屋に似て……」
パリン、と軽い音がして、それが幸福の持っていた瓶からだと桐は少し経ってから分かった。
『私の名前、ですか?機種番号0000000000――――通称「ムト」です、倉崎桐』
ムト……不思議な名だと思った。
「じゃあ私の事は桐でいいわ…ムト」
桐は部屋を見渡した。
そして呟く。
「…座敷家みたいね、この部屋。何か理由でもあるの?懐かしいとか?」
ぴたりと、幸福の動きが止まった。
「何故……そう思う?」
「何故って…そうね……」
第一印象、とでも言えば良いのか。部屋の雰囲気が、あの独特の空気と似ていた。
何処か寂れた、人気の無い、空間。
生活感が失われた、否元々生活感が無い、そんな空間。
しかも、あの部屋。あの部屋の雰囲気と、同じ。
「なんとなく、よ。運命の居た部屋に似て……」
パリン、と軽い音がして、それが幸福の持っていた瓶からだと桐は少し経ってから分かった。