ゴーストオブアイデンティティー
「まさかとは思うけど…………これ……ニトロ?」


幸福はまた一粒含み、噛み砕いた。さも不味そうに飲み込む。


「これを壁に叩き付けたら、どうなると思う?」


桐は横に首を降る。

すると幸福はもう一粒取り出し、


目にも止まらぬ速さで壁に投げつけた。

つられて桐はその方向に目を向ける。

と、次の瞬間


ダン!!


という音と共に激しい光が桐の目に突き刺さった。

「お前の言う通り、これはニトロだ。ただし、加工はしてあるが」


驚きで、桐には幸福の声が耳に届かなかった。


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