ゴーストオブアイデンティティー
「誰!?」


悲鳴ともとれる声が、口から洩れる。


そして。


言葉を失う。



日本人形が立っていた。


否。


日本人形の様な、少女。が、立っていた。


・・・・
畳の上に立っていた。


全焼したはずの座敷家。何故、畳が焼けずに残っているのか。


だがその事より、桐は少女に惹かれた。



身の丈以上に伸びた、漆黒の長髪。


黒い帯に、紺の着物。


それ以上に目立つ、顔。
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