ゴーストオブアイデンティティー
私の知る限り、『心』があるのは人間のみである。

『心』は母性本能や知恵とは異種の存在だ。

思いやり、と言えば聞こえは良いが、実際は、ただの手枷、足枷。リミッターだ。

本能や欲情の暴走を抑えるべく無意識に創られた、「人間」として生きる為の境界線である事を、覚えておいてもらいたい。


つまり、

人間でいる為には、心赴くままに、それ以前、心がある事が前提である。


さて、本題に戻るとしよう。

身体には『生死』が付きまとうが、心にはそれが無い。

概念のみの存在だからだ。

しかし、『心が死ぬ』などの表現がある。

これに対してはどうなのか。

繰り返すが、心に『生死』は無い。


心の、死。


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