ゴーストオブアイデンティティー
幼子の頭蓋に穴を開け、ありとあらゆる種類の薬品を投薬するという、

人権云々を嘲笑う実験だった。

そこで私が見たモノは、想像を絶した。

その子供は、数日、下手をしたら数時間で死亡した。

死体は好き勝手に解剖後、コンベアに流され、行方不明…

書くのすらおぞけが走る現場だった。



共にいた研究員達が発狂したのも、無理は無い。

私も、何度も発狂しそうになった。しかし、しなかった。


あの時発狂したやつらは、幸せだったのかもしれない。

狂人である事が普通…
そんな世界だった。


闇風は、無表情だった。
冷徹で、残酷な、素顔。

素顔。

少なくとも、私達にとっては、素顔だった。


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