ゴーストオブアイデンティティー
私なりの、現実逃避さ。

だから、和樹を見ていると、無性に昔の自分を重ねてしまう。

「和樹、君には座敷闇風と84が似ている様に見えるかい?」

「…どこがです?」


そうか。



・・・・・
それでいい。




私は言った。

「和樹」

「なんです」

「君は恋を、しているかい?被験体No.84に」


「は?な、何を」

「私はいたってクソ真面目だ和樹。恋を、しているかい?」

和樹は、顔を背けた。

「………分かりません」


「うむ。ふやけたクソガキに成り下がっているようだ。結構結構」


和樹は、私の暴言にぽかん、としていた。

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