ゴーストオブアイデンティティー
「資格が無い、私にはあまりに罪深い、嗚呼嘆かわしい…!!なんて腐った考え、止めたまえ和樹。確かに私は言ったさ。科学者は被験体に情をやるなと。だがね…」


灰皿にもみ消した煙草を置いた。


 ・・・・・・・・・・
「一般市民なら話は別だ」


「…それって」

「そう。辞めたまえ此所を。君が覚悟を決めるなら、私にも考えがある」


食らい付くか、否か。



自分からこんな話をしておきながら、何故自分がこんな事をしているのか、疑問に思う。


期待、かな………?


「何故僕にこんな話を?」


「さあね……今私自身も考えているところだ。恐らくは、無責任な期待だろうね。昔、同じくこの世界に疑問を持ったクソガキが出来なかった事への再挑戦をしてくれそうな、君へのね」


ウインクをサービスしてやった。


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