ゴーストオブアイデンティティー
「……………やります」

「………ほう?」


思った以上に即決だった。

「本気かな?」

「はい」

「下手すると死ぬよ?」

「ヤヨは既に死にかけてます」

「ヤヨ…?ああ、84の事か。良い名だ。気に入った。是非とも、頑張ってくれ」

もう一本、煙草に火を付ける。


「あと、エール且つアドバイスを送ろう。座敷幸福に会え」


「座敷幸福に…ですか?」



世界の中心。

グランド・ゼロ。


「ああ。座敷儚が亡き今、彼しか頼れる人はいないよ」


「座敷家ですよ?しかも闇風の兄…」

「君は知らないだろうな。知ろうともしていない。座敷幸福だって、立派な、悲劇の少年なんだよ」


和樹は納得していなさそうだが。真実しか、私は言わない。

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