ゴーストオブアイデンティティー
彼と話をした事がある輩は、皆無だろう。

話をしたとしても、研究結果の報告ばかりで、人間性に関しては触れてもいまい。

その分、私は優越感にひたひたと浸かっている。

彼を、知る。


それは一見難しそうな事柄だが、実は非常に簡単だ。



先入観を持たず、ありのままの自分で話せばいい。

今の座敷家は、古傷が主体で動いている。その存在は唯我独尊に近く、あまり影響力が無い。不幸中の幸い、幸福、闇風は影響力が染み込んでいない。身を委ねるか否か、迷っている。

至って健全な思考を保っているのだ。

若いが故に、世界という存在に翻弄されている。


それが狂乱、血迷いに見られるというのが、なんとも可哀想な限りだ。


救われない子供達、か……
リ ト ル ボ - イ


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