ゴーストオブアイデンティティー
「そんな事、分かって―――」


『ないですね。桐、質問ですが、貴女は幸福と戦って自分が勝つと思いますか?』

何を馬鹿な事を、と桐は思った。それこそ、愚問だ。


「勝てるわけ、ないじゃない」











が。


『いいえ。桐、貴女は勝ちます。貴女が勝つ確率は72%です』


「…………は?」

何を言っているんだろう。
どういう計算をすれば、そんな答が弾き出されるのか。



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