ゴーストオブアイデンティティー
「…偽善者だな」


「あら、今更?あなたも人を見る目が無いわね。私は自他共に認める偽善者よ」

もっとも、他っていうのは私が皆に言ってるからだけど、と苦笑しながら付け加える。

「……………」


そんな桐を見、幸福は目を細めた。
何か、奇妙なモノを見る目付き。

幸福には、解らなかった。


何故、コイツはこうも笑っていられるのか。

自分に撃たれ、壁に叩き付けられ、先程もリヴォルヴァーを突き付けられ、


しかし今、笑って居る。

何故?




「何故……笑っていられる?」


「…………?」


「倉崎桐。何故、自分を殺しかけた僕に向かって笑っていられる?」


全くもって、理解出来ない。


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