ゴーストオブアイデンティティー
「………分からないの?」

「……………」


桐の方が、余程不思議だった。何故、分からないのだろう。


世界の中心とまで言われた人物が、そんな事さえ分からないのなんて…………







いや、


そうじゃ、ない。


・・・・・・・・・・・
だから、分からないんだ。


そんな人物だから。
人だから。

ヒト、だから。









桐は、初めて思った。






座敷幸福が、可哀想だと。


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