ゴーストオブアイデンティティー
『いいでしょう。ただし話が面白いかは保証しかねます。貴女の感性によりますから』

「ええいいわよ」


少し間を置いて、ムトは語り始めた。


『私…ムトについて語ろうと思います』


「うん」


『私は…特殊な形で生まれたAIです』

「特殊?」

『私は意図的なバグから創られた、言わばコンピューターウイルスのようなモノです』


「それはまた…凄いわね。でも意図的なバグってどういう事?誰かがあなたを創る為に何かを…その、バグらせたって事?」


『そうです』

「それって…かなり成功率低いわよね?」

『ええ。しかし、私を創った人物はきっと、何度でも100%の確率で私を創り出すでしょう』


「…ムトを創った人?それって誰?」



『美少年です』


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