ゴーストオブアイデンティティー
「HEY YOU!!」


幸福の言葉に、無線をもったまま呆然としていた身体がビクッと震えた。

「Can you speak Japanese?
I have some questions.
Answer. OK?」


ガクガクと首を縦に振る。

ライターを灯り代わりにつける。夜目で暗闇に慣れている為、十分な灯りだ。


マスクを外させる。未だ若い女だった。

外すべきではなかったと幸福は後悔する。


アイツと重ねてしまう。

舌打ちをして、思考を切り替える。


「どこの部隊だ?」

「イ、EU…」

EU―――――


「…偉くなったもんだな、たかがクズの塊が」


< 44 / 503 >

この作品をシェア

pagetop