ゴーストオブアイデンティティー
人ゴミがキライ。
人がキライ。
人のふりをしている奴等がキライ。
人の真似事をして、「人らしく」生きる努力をしたふりをして。

ゴミの如く、吹き溜まっている存在が、闇風に耐え難き苦痛を与える。

「本当無能。無能無能無能!!何故兄さんは私を救わずにこんな屑を助けるのかしら?」


かつり、かつりと闇風は歩き………やがて、立体交差点でその歩みを止めた。


皆その行動に呆気に取られながらも、後、一斉に罵声とクラクションが鳴り響いた。


その重圧的な騒音に誰もが耳を塞いだ。



闇風1人を除いて。


「嗚呼…嫌な音。愚弄者の叫び、愚民の叫び、穢れきった叫び。耳が犯されそう…本当、犯されそう」


唇を歪めながらも、闇風は、ニヤリと笑う。


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