ゴーストオブアイデンティティー
十数える位になると、ようやく発作が落ち着いてきた。


動悸と軽い吐き気を呼吸で抑えながら、「…クソが!!」幸福は拳を煤で崩れかけた壁に思い切り叩き付けた。


ドン、という、重く激しい衝撃だったが、壁は崩れなかった。




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