ゴーストオブアイデンティティー
外はどうなっているのだろう。

否、どう壊れているのだろう。

生きている者はいるだろうか。

私は、正気でいられるだろうか。


それらは全て、考えても仕方無い事。



「私は見に行くのよ。そして見届けてみたいの。世界が何処へ向かうのかを。だって、それが私の義務だと思うから」


倉崎桐の、義務。

誰が決めた訳でもない。単なる桐自身のエゴイズムを組み合わせたら義務という言葉が浮かび上がったに過ぎない。


しかし

しかし。そのエゴは、どうしても桐を縛り付ける。

逃れられない事実。
曲げられない現実。
止められない史実。

そこに在る、真実。


それを見ずして、何を語る?


< 466 / 503 >

この作品をシェア

pagetop