ゴーストオブアイデンティティー
それはつまり、こうなるのだろう。


「私は多分…いえ、きっと幸福が好きなのよ」


細切れになった感情の断片を集め、パズルを当て嵌めていけば、この答えは間違っていないと、桐は思う。

例え間違っていても、不快ではない。


如何なる好の感情であれ、そこには負の感情はない。

相手を好む事に、其所に負の感情は有り得ないのだ。


誰の為でもない。あえて言うなら桐自身の為、桐は幸福を好きだと言う。


全てを受け入れる為、幸福の全てを、幸福と運命の全てを、受け入れる為。

桐は好きだと言う。



この不快で不可解な全てを見届ける為に。

螺曲がり屈折した世界の終末を
irresponsible hate anthem
見届ける為に。






私は――――――――――――




此所に居る。

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