ｺﾞｰｽﾄｵﾌﾞｱｲﾃﾞﾝﾃｨﾃｨｰ

生物学的見解から言えば、勿論哲学倫理学等様々な分野からの見解も一致するだろうが、正直、今の世界は異常だ。


求めるモノが叶いすぎて、感覚が、特に破滅をかぎ分ける嗅覚が麻痺している。


第三者の立場から見れば瞬く間も無く解りきった事柄。

肥えに肥えた豚の満腹中枢を切り取り、其所に極上の餌を常に振り撒いている――天国と地獄を一度に味わう生き方を、今の人類はしているのだ。


餌に因って身体は膨張し、しかし麻痺で常に飢えている為、食い続ける愚かな豚が、今の人類なのだ。


そのうち、豚は膨張を繰り返し、内部から破裂し愚かな最期を遂げるだろう。

愚かしい。見ていてこれ程不快なモノはない。

人類はこんなにも愚直で、不甲斐ない生き物だったのかと嘆きたくなる。


だが私は――座敷機関は嘆く事は出来ない。

事態を招いたのは、座敷機関なのだから。