ゴーストオブアイデンティティー
思考の間に、「…そうか」とサチフクは呟いた。


声は、低かった。


「そう…だな。その方が良い。こんな世界には二人も必要ねえ、か」






このサチフクの言葉で、運命は理解する。



「似ている」からだ。似ているから、横に振ったのだ。




運命は、オマエは俯く。




俯いた直後、サチフクに抱きしめられた。

強く、痛かった。

が、





サチフクの言葉が、運命の全てを消去した。




意味は解らない。

未だに。


しかし、何か。


意味を成す事は確かだ。

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