ゴーストオブアイデンティティー
自称で価値を産み出そうとする、無能の塊だ。

自称行為は、最悪の自傷なのだ。恐らく、人生にて初のステレオタイプの強要。


「己の名」というアイデンティティーを消去する検問のようなものだ。



もっとも、「己の名」という一種の束縛から逃れたい、深層心理内での思春期の暴走、という考えも無きにしもあらず、だが。



如何にしろ、確定事項は無い。

全くもって混沌である。



…………………



「その混沌が、てめぇの本望でもあるんだがな…」




荒い息を吐き、柔い朝日を浴びながら、座敷幸福はそう、思った。

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