ゴーストオブアイデンティティー



幸福の周りは、そう、例えるなら硝子瓶が割れ、水が溢れていくのを想像させるような出来事が起こっていた。


音は無い。


ただ、硝子が割れていくように 世界が割れていく。


焼失し、骨組みだけ残っていた、幸福の目の前の一軒家。





一瞬で砕け散り、何の変てつもないただの家に変わる。



否。



・・
戻る。



熱で爛れた電線―――――


跡形無く焼けたコンビニエンスストア――





全てが―――――――戻る。



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