シャボン玉
「何言ってんの?私好きな人居ないから」

ため息をつきながら言うと
「じゃぁ雅ちゃん「彼氏つくる気ないから」

彼の言葉を遮って、言葉を発した。
…しょうがないじゃん…男なんて…無理。

「だよなぁ~、まぁ、そか‼ごめんなイキナリ‼」
「いいよ…んじゃ」

振りかえらずに去っていく彼に、私は視線を向けながら、自分の教室へと向かった。

「雅ちゃん♪」
「あっ凛‼」
「ねぇ雅ちゃん…蓮が好きなの?」

急な言葉に、私は目を見開く。

「ないない‼第一好きな人いないしさ」
「…じゃぁさ、実は凛、蓮の彼女になったから。蓮に近づかないで」

凛の本気な、真剣な目は、私へと向けられていて、一瞬寒気さえも感じた。


「分かった。でも今日は蓮と聖奈と帰るから、今日はいいかなぁ?」
「うん…今日だけね。」
「ゴメンネ‼凛幸せに~♪」

“近づかないで”

この言葉が、頭からは一向に離れようとはしなかった。

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