シャボン玉
今は蓮しか信用できなくて、ただ私は硬直した状態だった。
「ね…ねぇ蓮。」
「ん?」
「何を聴いてたの?凛は…」
そういった後、目を大きくさせて、私の頭をクシャッとすると
「その日の予定」
とつぶやいた。
「詳しく言うと、俺のスケジュール帳を、凛が作ってた。」
「えっ…蓮は知ってたの?」
「俺は何にも知らなくて、『この日は蓮空いてるから一緒に遊べるね』
って言われて初めて気づいたよ」
凛は女子からは恐がられる存在だったから、それからは蓮の評判がガタ落ちしたのは、言うまでもなかった。
「…なんで蓮は私に教えてくれたの?」
「俺言ったじゃん。雅に“好き”って。覚えててくれよ」
…いまだに蓮は私を好きで居てくれたの?
ねぇ蓮…私、信じていいの?
蓮を好きになったって…自覚していいの?
ー真実を、貫いていいの?ー