シャボン玉

今は蓮しか信用できなくて、ただ私は硬直した状態だった。
「ね…ねぇ蓮。」
「ん?」
「何を聴いてたの?凛は…」

そういった後、目を大きくさせて、私の頭をクシャッとすると
「その日の予定」

とつぶやいた。
「詳しく言うと、俺のスケジュール帳を、凛が作ってた。」
「えっ…蓮は知ってたの?」
「俺は何にも知らなくて、『この日は蓮空いてるから一緒に遊べるね』
って言われて初めて気づいたよ」


凛は女子からは恐がられる存在だったから、それからは蓮の評判がガタ落ちしたのは、言うまでもなかった。

「…なんで蓮は私に教えてくれたの?」
「俺言ったじゃん。雅に“好き”って。覚えててくれよ」

…いまだに蓮は私を好きで居てくれたの?

ねぇ蓮…私、信じていいの?
蓮を好きになったって…自覚していいの?
ー真実を、貫いていいの?ー
< 26 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop