狼と赤ずきん。




「グズグズしてないで早く言えよ!!


よろしくで済む事だろ!」



狼がうなった!



ヤバイッ。私、泣きそう・・・。




私は恐る恐る椅子から立った。



足の震えが止まらない。


涙が机の上に零れ落ちそうだ。



「・・・はっ・・は白杉・・・優衣・・・です。


・・・よろしく…お願いします・・・。」



ガタンッ!私はすぐさま座った。



顔が焼けるように熱い。



もう、嫌だ。


ここから、抜け出したい。



咲の所に行きたいよ・・・。



「何コイツ!

たかが自己紹介で泣きそうだし。


馬鹿じゃねぇの?」




隣にいる狼が悪魔のように笑っている。


それは、あんたのせいよ!!


私はこう思ったが、


さすがに狼に言う勇気がなかったので心の中に閉まった。


2人組みの女子がヒソヒソ話をしている声がする。


きっと、私の事だろう。



追い討ちを食らい自分ではどうしようとも出来なかった。



どうしようとも思わなかったけど・・・。




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