狼と赤ずきん。
外に出て、一目散に見えた。
校門には誰もいなくて
ぎこちなくて、物足りなかった。
私たちは付け足すように校門まで走った。
校門に到着すると山の頂上みたいで
周りをキョロキョロしてしまった。
「ミッション成功!」
咲は息切れしながら私に言った。
「さてさて、ここまで走った理由を教えてくれませんかね?」
咲に教えたほうがいいよね?
咲は味方だし、隠す必要はない。
「うん・・・、実は私の隣の席には狼が・・・。」
「オオカミ!?」
咲は目を丸くして叫んだ。
「じゃなくて・・・!」
私は言い直してから
咲に教室であった出来事を全部話した。
咲は興味津々の顔で区切りのいいところでうなずき
私の下手な説明にも笑わず聞いてくれた。
それは、私にとって嬉しい事だった。