狼と赤ずきん。



「あんたら、先生に言いつけるけどいいの?」



私がぎろりと男の子たちを睨むと


彼らは”覚えてろよ!”と古いセリフで逃げて行った。


「はぁ~…。」



ほっとする。


小学生相手に緊張してしまった。




「おねえちゃん、ありがとう。」



女の子は泣いてぐしゃぐしゃになった顔をあげて



私ににこっと笑った。





「はい、手提げ袋。」


「ありがとう。」




そして、二人してニヒヒッと笑う。








< 221 / 266 >

この作品をシェア

pagetop