狼と赤ずきん。
その誰かが狙いを定めてボールを投げた。
凄い!
ボールはA組の野球部の投げたボールよりも
数倍も速く蛇のように鋭かった。
そして、そのボールを投げる誰かは
後姿がかっこよく見えた。
ボールは見事、野球部男子に的中!
F組からは驚きの歓声が上がった。
その誰かが、こっちを振り向いた。
え!?
その誰かは、
冷血の狼、荒月だった!!
荒月が私を守ってくれた?
信じられない!
信じたくもない!
あんな奴が・・・。
あんな奴が・・・。
荒月が私を指差しこう言った。