狼と赤ずきん。




学校の校門に着いた。



校門は静かで心地よい風が吹いている。



しかし、昇降口には大勢の人盛りが出来ていて



押し競饅頭をしているように


壁の見慣れない貼紙を見ている。





「2年の貼紙はあそこだ!!」



咲が押し競饅頭を指差した。





「ヒャ~!あんな中は言ったらセンベイになっちゃうよ。



どうする?人が少なくなるまでここで待っている?」





咲はウズウズした気持ちを抑えながらこちらを見ている。



「押し競饅頭の中に入んなくても近くからなら―。」



私はしゃべるのを止めた。



咲は猛ダッシュで貼紙の近くの所まで走り寄った。



焦らなくても貼紙は逃げないのに・・・。




そういうところが咲らしくて面白いよ。




私は咲の所までユックリ歩き進んだ。



「私、A組だったぁ~!!


結構知っている人いたよ。そっちは?」



咲に尋ねられて私の自分の名前を探した。




「うーんと、今探し中・・・。あっ!?」


この瞬間、


私と咲を結んでいた何かが


糸も簡単にほどけた感じがした。




「F組・・・。」



私は言葉をこぼした・・・。




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