First Love
「知樹、どうにかなんない?」

知樹の部屋に行って私は相談する。

三つ子として生まれた私。

知樹は三つ子のうち、一番上のお兄ちゃん。

その次に泰樹という、音楽好きなお兄ちゃん。

そして末っ子の私。



「どうにもなんないよ。
智道、全く桜には興味ないんだから諦めたら?
桜の事、好きな男子は学校にいっぱいいるしさー…」

知樹はパラパラ雑誌をめくっていたけど、その手を止めた。

「…他の子じゃ、イヤ」

私が頬を膨らませると知樹はため息をついて

「桜、あんまり深追いするとますます智道逃げちゃうよ?」



グサッ、と胸に突き刺さった。
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