First Love
「…智道くん」

桜ちゃんは急に手を離して鞄の中を探り始めた。

「今日、何の日か知ってる?」

そう言って差し出された包み。



「一応用意したんだけど、渡せなかったらむっちゃんにでもあげようと思ってた」



あ…そっか。

今日はバレンタイン。



「受けとってくれる?」

顔を赤くした桜ちゃんに僕は頷いて

「もちろん」



そして再び手を繋いで歩き始めた。
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