Strawberry & Chocolate
名乗った瞬間、一層の光を発した石。
光が止むと同時に私の手に握られていたのは。
「な…薙刀…!?」
長い柄、先端に刃。
これはまさしく薙刀と呼ばれるもの…。
何でこんなものが!?
てか私にこれをどうしろと!?
本物の刀なんて使ったことないですしっ!
「何してるんです?」
「えっ!?」
とっさに声の聞こえた方を見上げると…そこには。
宙に浮かぶ箒。
その上に乗っかってヤンキー座りしている男性の姿。
…もうどこにどうツッコんでいいのかわかんないんですけどっ。
「そこにうずくまってる怪物はまたあなたを襲ってくる。〝Hope Lights〟(ホープライツ)の光で怯んでいる今のうちにとどめを刺すんだ」
「とど…め…!?何で…私がっ…」
「君にしかできないからだ」
私にしか…?
どういう…?!
そう言い返そうとした時、彼の言葉通り怪物が再び動き出し私にむかってきた。
さっきよりも早く攻撃を仕掛けてくる。
もう…やるしかない…!!
私は薙刀を構えた。
振り上げてくる爪を長い柄で受け止め、両爪を一気に振り払う。
無防備になった真っ正面。
すかさず狙いを定め、私は薙刀を振り下ろした。
ザンッ!!
私の刃は怪物を真っ二つに切り裂いた。
怪物はまるで、蒸発する水のように瞬く間に消えていった。