Strawberry & Chocolate
月島先生とルゥの言葉がいちいち胸に刺さる。
ホントいい加減にしてほしい。
「あたしの過去と杖とどう関係があるっていうんですか?」
「君がこれから先を戦って生き延びていく為にも〝Hope Lights〟を使いこなさなきゃならない。その為には、君が持っている力を知る必要がある。そしてその力をコントロールする術もね。
だから君は知らなくちゃならいんだよ。自分のことを」
「…記憶を取り戻せって言うんですか…!?」
「…そうだよ。君の為にも。街を守る為にも」
今さらそんなこと言われるなんて思わなかった。
だってそれは遠の昔に諦めていたことだから。
どんなに思い出そうとしてもそれは無理だった。
……ううん、違う。
あたしは…思い出すことを最初から諦めてた。
あの日、あなたに会って〝リナ〟をもらったから。
あの日から、あたしは〝リナ〟になったから。
〝リナ〟でいる為に過去を捨てたんだ。
だから知りたくない。
昔の、〝リナ〟じゃない〝あたし〟なんて――。