Strawberry & Chocolate

「えっとー、こないだも話したよね。普通の人間も微量ではあるけど魔力は持ってるって。
実はこの空気中にも魔力は存在してるんだ。まぁ、それもほんの僅かだけどね。
でもヴァイズ以外でも魔力の濃い地域は結構あって、そこが所謂〝パワースポット〟とかって呼ばれてるらしいんだけど…。まーそれは置いといて」



「置いとくんですか?」



「うん。全然関係ないことだしね」



「だったらなんで今話したんですか…」



「で、話を戻すと。その微量にある魔力がイーヴルが現れると津波のように大きく揺れることがわかったんだ。
そして、その揺れがイーヴルが現れる前にも僅かにだけど、感じられることもね」



「つまり…その揺れを感知することで出現する場所を特定してるってことですか?」



「そゆこと。だから今この街にはたくさんの魔法使いやらなんやらが派遣されてるんだ」



「ですが、昨日や今日みたいに私たちが到着する前にイーヴルが現れていたら意味がないのでは?」






と、私の質問に目を逸らす月島さん。



まさか―。

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