Strawberry & Chocolate

『まぁ、確かに人間からしてみれば俺たち全員妖怪とかバケモンにしか見えないけどな』



「合種っていうのは、魔法生物と人間との間に生まれた種族なんだ。吸血鬼の他にももっといるよ。人間にとっては妖怪って呼ばれる者達が」







ホントにいるんだ…。



そういう作り話だと思っていた存在って。



まぁ、月島さんも魔法使いだし、魔法も存在する事だって知った。



だから当たり前と言えば当たり前か…。







『人間は信じようとはしないからな、そういうの』





ルゥが少し哀しそうにポツリと呟いた。




…確かに私たち人間にしてみれば、そういった生物は架空の存在。




ルゥに限らず、自身の存在を否定されるってきっと、きっとすごくツラいことなんですよね…。








「おい、説明はもういいだろう!!で、貴様の名前は!?」



「えっ?」






のけ者にされていたガイアさんが月島さんをどかして私の前に現れた。




あんまり名乗りたくないんですけど…。







「…私の名前は…綾小路 小梅です」



「小梅か…。フフッ」






また笑い出しましたよ、この人…。



何がそんなにおかしいんですか…!?







「私のこと…バカにしてるんですか?」



「いや。ただ初めてだったからな。俺に媚びない奴が。媚びないどころか俺に説教する奴なんて見たことがねぇ」



「あぁ、そうですか。初めての体験ができて良かったじゃないですか」



「気に入った!小梅!俺の女になれ!!」



「はぁ!?」







なんでその流れでその発言!?



合種だかなんだかよく知りませんが、頭おかしいんじゃないんですか!?



てか、完璧おかしい!!






「安心しろ。俺の女といっても血は吸わん。ただ貴様は俺に尽くしていればそれでいい」





この期に及んでまだ上から目線ですか…!?



信じられない!!

< 110 / 266 >

この作品をシェア

pagetop